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686


Specifications

メーカー希望小売価格
¥75,600(税込/1pair)


DM600シリーズの後継として、またCM1の弟分として誕生したコンパクトスピーカー。従来のDM600シリーズから大いなる飛躍を遂げ、外観も刷新。

130mmウーファー、25mmトゥイーターにファーストオーダーのクロスオーバーというCM1と同一の構成。CM1と同じく800シリーズなど上位モデルのテクノロジーを受け継ぎながらも非常にリーズナブルなプライスを実現。コンパクトでシンプルでモダンでありながら入門機の常識を覆すハイパフォーマンスを併せ持つスピーカーです。

Tuning/チューン
低域の遅れやスピード感の不足、タイミングの揃わないアンサンブル、口先だけで体の響きが感じられないヴォーカルなどの不満点を解消し、ヴェールの取れた自然な再生音を実現します。

空前の大ヒットモデルとなっているCM1の弟分として登場した686。コンパクトスピーカーの新たなるベンチマークとなること間違いなしの686をゴトウがさらにブラッシュアップ。”スピーカーの音”ではなく音楽そのものの魅力をより深く感じて下さい。B&Wならではの端正さと音楽性を兼ね備えています。正統派モニタートーンのCM1に対しては明晰さを持ちながらもごく僅かですが優しさを感じさせる音調です。リラックスして音楽を楽しみたい方にお薦めです。元々CM1に準ずる超ハイC/P機ですが、ゴトウチューンにより進化した686はクラス最高の性能を備えています。

チューン仕様販売価格 \81,300(税込/1pair)
ノーマル品販売価格  \49,800(税込/1pair)

当社にて購入された686は後からのチューン費用が持ち込みよりも割安な優遇特典付!


First Impression/第一印象
外観・概要
DM600シリーズのオリジナルモデルがリリースされたのが1991年。それから16年の長きに渡りマイナーチェンジを繰り返しながらB&Wのエントリークラスを支え続けてきました。1996年には現在のメタルドーム・トゥイーター、ケブラーコーン・ウーファーを搭載したスタイルとなりました。1999年にはトゥイーターにノーチラス・チューブを備えたDM600シリーズ2となり、2002年にDM600シリーズ3へとリファインされ、順次ラインアップの拡充が行われてきました。その間、日本はもとより全世界でエントリークラスのベストセラーモデルであり続けました。

今回のモデルチェンジは従来のものとは異なる非常に大掛かりなもので、DM600シリーズの後継というよりも新しい600シリーズの誕生と言う方が相応しいでしょう。型番も上位モデルほど小さい数字が与えられるという800、700シリーズと同様のルールに統一されました。

投入された技術はCM1とほぼ同じといっても過言ではないでしょう。また、CM1は805Sと並行して同じエンジニアによって開発されており、発表当時は”ミニ805S”と呼ばれるほど800シリーズの技術、思想を色濃く受け継いだモデルです。それゆえにこのNew600シリーズも800シリーズの血統に位置づけられ、DNAを継承していると言えるのです。それゆえに”605”、”606”ではなく”685”、”686”というネーミングになったということです。

外観はCM1と同様にスクエアな形状のエンクロージャーを持つ2ウェイですが、マットブラックのバッフルが新鮮な印象を与えています。見た目だけでなく手触りがソフトでこれまでにない質感です。ウーファーのフランジにはカバーが備えられており、ユニットを固定するネジが見えないよう配慮されています。このあたりがシンプルでありながら上質な雰囲気を巧みに演出しています。そしてトゥイーターを包み込むように配置されたブラッシュ加工されたアルミニウムプレートがひときわ目を引きます。プレート上の”Bowers & Wilkins”ロゴはダイアモンド・カットにより美しい光沢に仕上げられています。

カラーは従来のソレントに近いライト・オークとウェンジの2色が導入されます。海外ではローズ・ナット、ブラックも展開されるようですが、輸入代理店のマランツによると日本への導入は予定されていないそうです。バッフルは両色ともマットブラック、サランネットもブラッククロスで共通となっています。サランネットを付けるとこれ以上ないほどシンプルな外観となるので部屋のインテリアの調和を乱すこともありません。音響的にはもちろんサランネットを外した方が良好な結果が得られますのでリスニング時は取り外してお使い下さい。メープル、バーチ、チェリーといった明るい木目の家具と合わせるならライト・オークがお薦めです。

エンクロージャーはオーソドックスなボックス型ながらDM600シリーズから大幅に強度を増しています。特にフロントバッフルは厚みが150%となりウーファーの土台としてエネルギーをガッチリと受け止めます。その結果、より明瞭な低音域を得ることが出来ています。バスレフポートはCM1と同様リアに備え、形状はフローポートと呼ばれる出口が徐々に広がっていく独自の形状です。表面にはゴルフボールの表面と似た窪みが多数あります。この窪みが空気の流れをスムーズにし、ストレスのないポートの呼吸を実現しています。ゴルフボールの窪にも空気抵抗を減らして飛距離を伸ばすという効果があります。ただの筒状のポートで気流が乱れが生じると低域が濁り、ポートを出入りする空気が不快な風切り音を発生させてしまいます。リアバスレフのため壁との距離によって低域の量感、表情が敏感に変化します。

スピーカーターミナルは上位機種の700シリーズやCMシリーズと同様の大型のスクリュー型でバナナプラグも使用可能。さらにバイワイヤリングにも対応しています。エンクロージャーの強度アップや後述する高品位なユニット、シンプルなネットワークによりバイワイヤリングの効果もより実感しやすくなっています。

ユニット、ネットワークの構成はCM1と同じです。ウーファーは130mm、コーンにはB&Wのトレードマークでもあるケブラーが使用されています。フレームは非導電体のダイカストフレームを採用。丸みのある支柱で開口率の増大と高強度を両立。ユニット背面に放射されるエネルギーの反射を著しく低下させ、よりスムーズな低域再生を実現しています。フェイズプラグは805SやCM1とは異なるコーンに一体化されていない固定式を採用していますのでゴトウオリジナルのフェイジングプラグに交換することも可能です。また、フェイズプラグを外すとポールピースに銅キャップが装着されているのが見て取れます。これにはインダクタンスの変化を抑え、入力信号に対するリニアリティを向上させる効果があります。つまりよりコーンが正確なピストンモーションを行い、歪の少ない再生音を得られるということです。トゥイーターにも同様の銅キャップ付き磁気回路が採用されています。ボイスコイルボビンには高剛性のグラスファイバーを採用し、コーンとの結合を強化しています。

トゥイーターは25mmのアルミドームにノーチラスチューブを備えるというB&Wの定番的なスタイル。DM600シリーズではより安価なフェライトマグネットが使用されていましたが、New600シリーズにはネオジウムが奢られています。ネオジウムは高価ではあるものの小径でも強い磁気を得られます。そのためトゥイーターとウーファーを近接配置でき、垂直方向の指向性が改善、より良い空間表現が可能となりました。

ネットワークの構成もCM1と全く同じでトゥイーターにはコンデンサー1つ(-6dB)のみ、ウーファーにはコイル1つ(-6dB)のみという極めてシンプルなネットワークです。高品位なパーツを使用し、少ない素子でネットワークを構成することで音質劣化を少なくし、アンプの負荷も軽減しています。さすがに専用のカスタムパーツを使用する805S、CM1と同じとはいかず汎用品となりますが、測定によって選ばれた同一スペックのパーツの中からB&Wのエンジニアがリスニングテストを幾度も重ねてセレクトした最良のパーツが採用されているとのことです。数値だけではなく、感覚だけでもなく、測定+聴感によって設計されているからこそ多くのユーザーに支持される製品ができるのでしょうね。

以上のように非常に高い完成度を持った製品であることは間違いありません。DM600シリーズからみると価格もかなり上がっていることも事実ですが、それに見合うだけの製品に仕上がっていると言えるでしょう。円安ポンド高の影響を考えてもマランツの付けている定価はリーズナブルで実勢売価はおそらく海外における販売価格よりも低くなると思われます。我慢しきれずに値上げに踏み切るメーカー、輸入商社が多い中、価格改定を行わないB&W製品は相対的に安くなってきています。赤字で売れとは言いませんがマランツには頑張ってもらいたいと思います。もっともB&Wの製品はどれも価格を超えた価値を備えていますから多少価格が上がったところでコストパフォーマンスの高さは他社に真似できるものではないですね。

音質
アンプ、CDはローテルRA-02、RCD-02を使用。小柄なスピーカーなので1.5m程度の正三角形配置で試聴しました。

まずは定番のホリー・コール『I Can See Clearly Now』。一聴してB&Wのスピーカーと分る端正な音調です。特定の帯域にピークやディップもなく、ウェルバランスにまとめ上げられています。B&Wの入門機となる686ですが固有のキャラクターを感じさせず、同社のフラッグシップである800シリーズとの共通性が垣間見える音作りです。

ウーファーが130mmと小型ですから低域の量感はそれ程欲張ってはいません。ウーファーを支えるバッフル、エンクロージャーの強化により箱鳴りがしっかりと抑えられており、低域が曖昧になることなく充分な解像度を感じられます。リアバスレフなので壁面に近付けることで量感をコントロールは可能です。もちろんサイズの限界はありますので、さらに量感、スケール感を求めるのであれば兄弟機の685を選択するべきでしょう。686はウッドベース、ピアノの低弦などは軽いタッチで爽やかに聴かせてくれます。ヴォーカルものやフュージョン、ポピュラー系の音楽にマッチしますね。モニター系の音ではありますが、CM1ほどストイックではなく、特に中高域はしなやかで温かみがあります ので低域の量感を要求しなければ室内楽やピアノトリオも充分に楽しめます。同社らしいジャンルに左右されない正確なトランスデューサー(変換機)であると言えるでしょう。

また、小型ゆえの利点として音場の表現力が卓越しています。前述のニアフィールドに近いセッティングでは箱庭的な小空間の中に小さなステージが出来上がる感じです。ホリー・コールのヴォーカルはスピーカーのセンターに位置し、それを囲むようにピアノ、ベース、パーカッションが定位します。同時に残響も微小なレベルまでクリアで無駄な音を出していないことが分ります。スピーカーの間隔を思い切って3mほどに広げ、リスニングポイントも同様に遠ざけてみるとステージイメージが一気に広がります。この場合はある程度音量を上げてやらないと若干中抜け気味になりますが、この音場表現には抗いがたい魅力があります。ヴォーカル、楽器がピンポイントで定位し、その周囲にシームレスに空間がフワリと広がる。エントリークラスながら音楽の醍醐味を味わうことができる稀有なスピーカーだと思います。

絶対的なパフォーマンス、デザインの高級感を求めるならば上位モデルに目が行きがちですが、コンパクトでお手頃な価格、それでいて音楽をちゃんと聴かせる性能(ココが一番重要!)を備えた優秀なモデルです。先代の600シリーズはいかにも入門機という感じでしたから当店では敬遠してきましたが、New600シリーズはHifiで使用できるスピーカーに生まれ変わりました。早速チューン仕様を展示しましたので是非試聴にお越し下さい。

Impression/お客様の評価
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Technical Specifications/仕様
型式 2ウェイ2スピーカー、バスレフ型
使用ユニット 1 x 130mmウォーブン・ケブラーコーン・ミッド / ウーファー
1 × 25mm チューブローディング・アルミニウムドーム・トゥイーター
再生周波数帯域(-6dB) 45Hz - 50kHz
周波数レスポンス(±3dB) 55Hz - 22kHz
出力音圧レベル(2.83V/1m) 84dB
高調波歪 <1%以下 110Hz - 22kHz
<0.5%以下 150Hz - 20kHz
公称インピーダンス 8Ω(最低5.1Ω)
クロスオーバー周波数 4kHz
推奨パワーアンプ出力 25W - 100W
外形寸法 H×W×D mm 265 x 170 x 284
質量 4.9kg