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CM7

生産完了となってしまいました

Specifications
メーカー希望小売価格
ウェンジ/ローズナット
¥243,600(税込/1pair)
ピアノブラック
¥268,000(税込/1pair)



日本のみならず世界中で大ヒット中の"CM1"のトールボーイタイプとして06年11月に日本に導入されました。センタースピーカーの"CMC"と合わせてサラウンドシステムへの発展も可能です。

News/お知らせ
2CM7は後からの持ち込スピーカーチューンアップ受付中

Tuning/チューン
ノーマルの再生音は下記のレポートにある通り非常にクリアでハイスピードで素晴らしいものですが、ややライトボディというか若さを感じさせる音調です。チューンすることで本来の魅力はそのままに更に深みとコクを感じるフルボディな音に生まれ変わりました。

ホリー・コールの『DON'T SMOKE IN BED』でノーマルと比較するとノーマルは綺麗でバランスも整っていますが、ヴォーカルやや引いた感じで平面的。バンドとの前後の位置関係がちょっと分り難いですね。チューン仕様に切り換えるとヴォーカルの存在感が増し音場が立体的に描写されているのが分ります。またホリー・コールの声に匂い立つような色気が感じられます。この圧倒的なリアリティは一度聴くとノーマルには戻れなくなってしまいますね。

チューン仕様を常時展示してありますのでいつでも試聴可能です。 是非ご自身の愛聴盤をお持ち下さい。

チューン仕様販売価格 
CM7は後からの持ち込スピーカーチューンアップ受付中
生産完了となってしまいました


First Impression/第一印象
外観・概要
『羊の皮を被った狼』というキャッチコピーを与えられたB&Wの新製品が当店にも12月初旬に納入されました。世界的にもゴトウ的にも発売以来大ヒットモデルとなっているCM1のトールボーイ版が発売されるとマランツの担当者から聞かされてから数ヶ月期待に胸を躍らせて待っていました。

外観はCM1と同様にオーソドックスな直方体のエンクロージャーを持つトールボーイスピーカーです。仕上げはCM1と同じイタリア製の天然木の付き板です。カラーもウェンジ、ローズナット、メープルの3色が用意されています。CM7にもマグネットキャッチによるグリルが採用され、グリルを外してもグリル固定用の穴や突起がエンクロージャーの美しさを損ねることがありません。ウェンジ、ローズナットにはブラックの、メープルにはグレーのグリルが付属します。エンクロージャーの素材はMDFよりも密度の高いHDFで、800シリーズ譲りの内部のマトリックス構造による補強も施されているため箱鳴りはなく、持ってみると見た目以上にズシリと重量感があります。吸音材はウレタンフォームが使用されています。

形式は3ウェイです。B&Wでは704、DM602S3などシングルウーファーのモデルは通常2.5ウェイの設計となっていますが、CM7は珍しく完全な3ウェイとなっています。トゥイーターはCM1と共通の50kHzまでの広帯域をカバーする25mmチューブローデッド・アルミニウム・ドーム・トゥイーター。エンクロージャー内部にユニット背面からのエネルギーを消し去る消音器となるNautilusチューブを備えています。ミッドレンジにはCM7の為に新たに設計されたB&Wの最新の130mmウォーブン・ケブラーファイバー・コーンFSTミッドレンジが搭載されています。800シリーズ、700シリーズに採用されている165mmのものよりも小径化されたことで入力に対する反応がより高速となり、非常にハイスピードで解像度が高くなっています。フェイズプラグにはプラスティック製のものが使用されています。艶消しのブラック仕上げで見た目には安っぽさはありませんが、音質的には完璧とは言えないですね。別途レポートしますが、ゴトウオリジナルのフェイズプラグの方が音質的には純正よりも好ましい結果でした。ミッドレンジの高速化に対応すべく、ウーファーも新開発されました。素材はお馴染みのペーパー/ケブラーコンポジット(パルプにケブラーの繊維を混ぜたもの)ですが、従来のペーパー/ケブラーよりも薄くて軽量で反応の速いものとなっています。マランツの担当者によるとヨーロッパ的な重厚感のあるふくよかな低音ではなく、非常に高速で切れのいいアルテックやローサーのような鳴りっぷりの良いアメリカンサウンドに近い感触だということです。確かに出てくる音はそういった雰囲気を持っています。それでいて低歪みで解像度が高く、今までにないタイプのウーファーですね。

背面下部にはフローポートとスピーカーターミナル(バイワイヤ対応)があります。ターミナルが高いとスピーカーケーブルを長くしなければならないので低い位置の方が都合がいいですね。CM1と同様に低音調整用の穴あきダクトプラグが付属しています。基本的には使用した方が音のバランスは取りやすいです。低域が不足と感じる場合、もう少しふくよかにしたい場合は外してみるといいでしょう。

クロスオーバーネットワークはフルレンジスピーカーでない限り不可欠なものですが、音の純度の為には必要悪と言える存在です。B&Wはユニットからエンクロージャーの設計から生産に至るまで自社でまかなえるメーカーですから電気的な調整をほとんど必要としないコンポーネントを作り上げることができます。その結果が800シリーズやCMシリーズの極限までシンプル化されたネットワークです。高品質な他社のハイエンドモデルに匹敵する(B&Wのハイエンドにはさらに高価なパーツが使用されています)大型空芯コイル、ドイツのムンドルフ社の高級コンデンサーM-Capなどクラスを超えたパーツが使用されています。これらのパーツは高価で高品質なだけでなく、手間のかかるリスニングテストを数十回も繰り返し行って選択されています。800シリーズもそうでしたが、CM7も価格を超えた物量を投入され、とてもコストパフォーマンスの高い製品です。B&W以外にここまでできるメーカーはないでしょう。これもまた世界中でB&Wが評価され、成功していることの証と言えます。

音質
まずノーマルの状態で色々とソフトを入れ替えながら試聴しましたが、さすがCM1の兄貴分です。正確な定位、見通しの良い音場表現には目を見張るものがあります。特に中域の解像度、スピード感が素晴らしい!ハイスピードな中域とそれにマッチして遅れることのない低域のおかげでフュージョン系のソースではベースやドラムスがピシッと決まりリズム楽器の妙味を楽しむことができます。音が輪郭が滲まないので楽器、声がきれいに分離した上で重なって美しいハーモニーを描きます。陽性のキャラクターを持っており、ポピュラーやロック等も軽快に気持ちよく聴かせてくれます。バスレフダクトのプラグを外すと量感が増しますが、CM7の持ち味である低域のスピード感がやや損なわれてしまうので挿入した状態がCM7の本来のバランスであろうと思われます。部屋が広く、壁からの距離を大きく取れる場合には外してもいいでしょう。全域にわたるクリアかつハイスピードな再生音がとても魅力的なスピーカーです。800シリーズのテクノロジーを受け継ぎながら、単なるコストダウン版とならない新たな魅力を備えた新世代のB&Wを代表する製品と言えるでしょう。

フェイジングプラグ比較
STS DIGITALの『HIGH-END AUDIOPHILE TEST DEMO SACD First Edition』の4曲目。フェイズプラグを交換するとヴォーカルがスピーカーよりも若干上方に定位するようになり、教会の空間の広さ、天井の高さがより鮮明に感じられます。イントロから聴こえるウッドブロックも高域までスカッと抜けてきます。ギター、ヴォーカルも抜けが良くなり音像の実体感、臨場感が増す。純正品に戻すとやや頭を抑えられたように抜けが悪くなり、天井が下がってきたような印象を受けました。

ホリー・コールの『DON'T SMOKE IN BED』の1曲目『I CAN SEE CLEARLY NOW』では低域から中域の解像感が増し、ベースの表情が豊かに感じる。アタックのキレが良くなってベースのスウィング感が増します。パーカッション、ヴォーカル共に中域の密度感が高まり、定位も滲みなくビシッと決まります。同時に音と音の隙間、バックグラウンドの微弱な余韻が際立ってきます。

PhasingPlug
\42,000/1pair


Impression/お客様の評価
自分がギターを弾くものでギター中心に聴いた感想ですが、これほどギターの存在感を生々しく感じさせるスピーカーにはなかなか出会えないと思います。少なくとも私がこれまで聴いてきたどのスピーカーも弦が弾かれた瞬間のパーカッシヴなアタック音を生で聴いているようには再生できませんでした。ですが、このCM7にはそれができたんです!ゴンチチのSACD(多分「GUITARS」)を聴いていたら気持ちよくて時間を忘れてついつい最後まで聴いてしまうほどでした。ラウル・ミドンの「STATE OF MIND」を聴いても躍動的なリズムにぐいぐいと引き込まれていきます。低域のゆとり感や音場を描き出す能力は比較した804Sには敵いませんでしたが、ピンポイントの定位、中域から低域にかけてのスピード感はCM7も負けていません。B&Wの最新鋭のモデルだけあって部分的には上位機種さえも凌駕する力を感じました。

女性ヴォーカルを聴いてもその艶めかしさにクラクラきそうです。中域のハイスピード化がCM7のミソと聞きましたが、切れがいいだけではなく信号に対するリニアリティが向上することで切れのいい音はより切れが良く、ねっとりとしたヴォーカルはより色気を増して息遣いまでリアルに感じられました。スピーカーの個性で再生音を支配するのではなく、音源の本来の魅力を(ダメな録音はダメに)聴かせてしまうスピーカーという印象を受けました。これで24万円という価格はバーゲンプライスですね。

比較試聴したノーマル品も同様にスピード感があっていいと思いましたが、いわゆるモニター的な感じというか私には薄味な気がしました。切れの良さと濃厚さを両立させたチューン仕様には抗いがたい魅力がありますね。


Technical Specifications/仕様
型式 3ウェイ3スピーカー、バスレフ型
使用ユニット 165mm ペーパー/ケブラーコーンウーファー
130mm ウォーブン・ケブラーコーンFSTミッドレンジ
25mm チューブローディング・アルミニウムドーム・トゥイーター
再生周波数帯域(-6dB) 34Hz - 50kHz
周波数レスポンス(±3dB) 46Hz - 25kHz
出力音圧レベル(2.83V/1m) 88dB
高調波歪 <1% 100Hz - 22kHz
公称インピーダンス 8Ω(最低3.0Ω)
クロスオーバー周波数 350Hz, 4kHz
推奨パワーアンプ出力 30W - 150W(8Ω)
外形寸法 H×W×D mm 910 x 200 x 300 (含グリル&ターミナル)
質量 20.0kg